おもしろサイエンス(12) 巨人の肩の上に立つサイエンス

巨人の肩の上に立つと、遠くまで見渡せるね
昔の発見参考にして徹底的に調べ観察を

 サイエンスなんて自分とは関係ないと思っていませんか。そんなことはありません。僕(ぼく)は工学技(ぎ)術(じゅつ)に関する研究所で働きながら、休みの日などは小学生に「スポーツ鬼(おに)ごっこ」を教えるボランティアをしています。子どもたちの課題を見つけたり、練習メニューなどを考えたりするときに、サイエンスがとても役に立っています。

 サイエンスの世界では「巨(きょ)人(じん)の肩(かた)の上に立つ」という言葉があります。「巨人」というのは、皆(みな)さんが大好きな漫(まん)画(が)に出てくる巨人ではなく、「昔の人が見つけたこと」のたとえです。

 「巨人の肩の上に立つ」とどうなるでしょう。高いところから遠くまで見わたせますよね。「巨人の肩の上に立つ」とは、昔の人が見つけたことを参考にすることで、新しいことが見つけやすくなることをたとえています。

 スポーツ鬼ごっこは新しいスポーツなので、自分の経(けい)験(けん)だけで考えるのではなく、他のスポーツの指(し)導(どう)書を読んだり、コーチに相談したりしています。

 巨人の肩の上に立つだけでなく、肩の上から徹(てっ)底(てい)的に観察します。スポーツ鬼ごっこの練習でも、子どもたちがどんな課題を持っているかをじっくり観察しながら導(みちび)き方を考えます。

 たとえば、おとなしい子は攻(せ)めるのを遠(えん)慮(りょ)しがちです。そんなときも他のスポーツを参考にして、全員が攻めないと勝てないようにルールを工夫することで、全員が攻めに参加する方法を子どもたちに考えてもらいます。

 サイエンスというと、人工知(ち)能(のう)やロボットなどを使ったハイテクなことや、顕(けん)微(び)鏡(きょう)や望遠鏡を使うようなことをイメージするかもしれませんが、サイエンスはそれだけではありません。徹底的に調べたり観察したりすることがサイエンスの基(き)本(ほん)です。生活の中で困(こま)ったときなど、簡(かん)単(たん)にあきらめず、いろいろと調べ、観察しながら工夫をしてみてください。



産業技術総合研究所勤務 梶谷 勇
■略(りゃく)歴(れき)

 1971年生まれ。竹(ちく)矢(や)小、松(まつ)江(え)四中、松江東高校卒業。筑(つく)波(ば)大学大学院博(はく)士(し)課(か)程(てい)工学研究科修(しゅう)了(りょう)。国立研究開発法人産業技(ぎ)術(じゅつ)総(そう)合(ごう)研究所勤(きん)務(む)。つくばLIGAREリバティクラス担(たん)当(とう)ボランティア

2021年3月31日 無断転載禁止

こども新聞