出雲大社造営、大変だった 木材の確保に先人苦心

独自の視点で出雲大社本殿の歴史をひもとく岡宏三専門学芸員
 出雲大社本殿(島根県出雲市大社町杵築東)の造営の歴史を建材から見る講座が28日、松江市内であった。県立古代出雲歴史博物館の岡宏三専門学芸員(54)が、巨大神殿の建設には木材不足がついて回り「意外に千年前から大変だった」と解説。植林や神木の活用など先人の苦労が読み取れるとした。

 岡学芸員は冒頭、とかく注目される巨大神殿の大きさや高さだけでなく、注目すべき点が多様にあると指摘した。

 巨大神殿の基本構造は、丸太を地面に直接立てる原始的なもので、支柱の足元が腐食しやすく耐用年数は20~30年にすぎなかったと分析した。1度の改修には300本もの巨木が必要で「古代の人は意外に巨木を使いまくっていた」と強調。「建て直す際は『次は木材が調達できないのではないか』と心配していたのではないか」と述べた。

 境内で発見された、神殿を支えていたとみられる柱の年輪が不自然に大きいことにも着目。当時の関係者が植林、間伐をするなど人為的に木材の成長を促した痕跡があると指摘した。

 加えて、木材不足がより顕著だった戦国時代には、他地域の神木の伐採を交渉し建材を確保した記録も紹介。「伝統継承はお金だけが重要ではない」と、長期的な視点に立った対応の重要性といった現代に通じる教訓を示しているとした。

2021年3月31日 無断転載禁止