白ネギ農家悩ます豆腐岩 撤去に手間と費用、耕作阻む

「豆腐岩」と松本秀之さん(右奥)たち白ネギ農家
 鳥取県米子市の弓浜半島部で「豆腐岩」と呼ばれる巨大なコンクリート塊が地中に埋まっており、白ネギ農家を悩ませている。戦前にこの辺りにあった旧海軍施設の基礎と思われ、深さ30センチ程度の地中で見つかることもある。撤去に手間と費用が掛かり、農機具を傷める恐れもあるため、耕作や作付面積拡大を妨げている。

 米子市葭津の白ネギ農家・松本秀之さん(51)は2020年秋、同市大篠津町の遊休農地を借り受けて耕作中に深さ約30センチの地中で複数見つけた。大きなものだと、長さと幅がそれぞれ80センチ程度、厚さ25センチ程度。到底、人力では動かせず、重機を使って取り除いた。「撤去に手間と費用が掛かるし、トラクターに引っかかってローターが壊れても誰も補償してくれない」と厄介者を恨めしそうに見つめる。

 地元の白ネギ農家らによると、豆腐岩は、航空自衛隊美保基地(境港市小篠津町)の南側に位置する米子市の大篠津町や葭津、和田町などで見つかる。一帯には第2次世界大戦中、軍用機の搭乗員を養成する美保海軍航空隊の兵舎などがあったことから、建物の基礎と考えられている。

 戦後、兵舎など旧海軍施設の敷地は払い下げられ、農地に生まれ変わった。地表に露出していた基礎は牛馬を使って取り除いた。白ネギ畑のそばの道端に放置されたコンクリート塊は白く、四角いことから、いつしか「豆腐岩」と呼ばれるようになったのだという。

 弓浜半島部で盛んに栽培される白ネギは、畝を作るために深く耕す必要があり、豆腐岩は厄介者だ。休耕地があっても、地中に豆腐岩が埋まっている可能性を考え、この地を敬遠して他地域で農地を探す農家もいるという。

 3月定例市議会の質問戦で、市に対応を求めた門脇一男市議は「埋まっている場所が特定できれば、作付けの端境期に集中して取り除くこともできる」と指摘する。市は一帯が軍用地だった点を踏まえ、国と相談した上で具体策を検討する考えだ。

2021年3月31日 無断転載禁止