女子ログ 贈り物の鉢植え

 1人暮らしの母親が入院している間、実家を時折訪れ、郵便物の整理やちょっとしたお片付けなどをちょこちょここなしていた。

 家のあちこちには花が生けてあったり、鉢植えの花が置いてあったりしたので、こちらも片付けや水やりをしていたのだが、なにぶん、母がどこに何を置いているのか、いまひとつ把握していなかった。

 ある日のこと、縁側に大きな花の鉢植えがあることにノーマークだったと気付いて青ざめた。2週間以上ほったらかしだったため、花は全滅。原形をとどめていなかった。

 こんな段階で水をやっても後の祭りだ。他の鉢植えは水をやると見る見るうちに元気になるものもあったのだが、こちらはかなり弱いタイプだったらしく、元には戻らなかった。

 仕方ない。正直に母に謝った。そうしたら意外にも「いいよ。いいよ」とあっさりした返事だった。「えー、でもきれいな花だったでしょ。惜しくないの」と聞いたら、「結構小まめに世話をしなければいけなかったから、面倒だったけんね。楽になった」と言ってくれた。

 実は鉢は親戚からの贈り物だったが、実は母が苦手な相手だった。そうか、枯れたのは私のせいにして、面倒なことから離れることができたと思っているんだな。母の本音が読み取れたら楽になれた。

(松江市・ブランチ)

2021年3月30日 無断転載禁止