「リーダシップ」と「フォロワーシップ」

 今なお未知の部分が多い新型コロナウイルス対策へ国中が奔走した2020年度が間もなく終わる。危機下での「リーダーシップ」が今ほど問われる時代はないだろう▼国や自治体に限らず会社でも、組織でも、家庭でも然(しか)り。特に外出の是非、消毒液の効用やワクチンの調達といった一人一人の暮らしや、命をも左右する首長の発言は科学的根拠が求められ、メディアの厳しい検証にさらされる。震災のように場所が局地的でないだけに、対応が比較されるのも大きな特徴である▼リーダーシップに似た「フォロワーシップ」という耳慣れない言葉を最近よく聞く。こなれた日本語にするのは難しいが、組織で例えれば「部下力」と言っていいか▼自分なりに解釈すると、はやり言葉になった忖度(そんたく)との違いは、リーダーの意志ありきではなく、部下が決断を引き出せる発言力を持ち、その上でリーダーの決断に基づく実行力を発揮することだ。側近に限らず、自律的な行動が取れるメンバーが多いほど、目的の達成に近づく▼コロナ禍で、聖火リレー中止検討を引き合いに、国に経済支援の格差解消を求めた島根県の丸山達也知事の発言を巡り、その結果が注目されている。度重なる要望に対して政府の内部ではどういう受け止めがあるのか、活路はあるのか-。組織一丸となり、次のリーダーの決断に備えて情報を上げるフォロワーシップを期待する。(万)

2021年3月30日 無断転載禁止