レッツ連歌(要木木純)・3月25日付

挿絵・麦倉うさぎ
○めし、風呂、寝る、で規則正しく
酒タバコ成人式でやめました (安来)根來 正幸
自堕落も春一番で目がさめる (松江)桃屋  壽
ひきだしで出番待ってる離縁状(松江)高木 酔子

○ヘイヘイホーが村にこだまし
トントンはとうに聞かれぬようになり(雲南)野の花

○秘密基地には誰もいません
最近は悪の組織もリモートで (広島)中村 忠夫

○頭髪に目が行くクラス会
便利ですポンポンポンとつけるだけ(浜田)松井 鏡子

○テレビを消せば音は風のみ
コツコツと雨戸をたたく人は誰(安来)足立  尚

○哲学的と言われましても
ただ単に名前に一字あるだけで(松江)相見 哲雄
地球外生命体は存在す    (米子)板垣スエ子
問題ない別人格の息子です  (安来)廣江  茂

○手当たり次第にクスリのむ日々
頼むから飛ばないでくれスギ花粉(出雲)野村たまえ
今月が消費期限のものばかり (松江)山崎まるむ
ほどほどの寿命でよいと言ったのに(松江)小谷由紀子

○妻より美人を探すアルバム
目も頭もいいあんばいにぼけてきた(隠岐の島)大田 有子

○近寄ってくる柔らかな足
ポカポカと堀川めぐりのこたつ船(益田)石川アキオ

○出発点はどこにするのよ
おふくろとおやじにあってくれないか(出雲)岩本ひろこ

○五十も百もおなじもんだよ
節分に年の数だけ食べる豆  (浜田)勝田  艶

○芸術品の価値があります
ばあちゃんの銀杏入りの茶碗蒸し (益田)おおいしこ

○くる日のためにとってあるのさ
包装紙段ボール箱ひも袋   (飯南)塩田美代子

○必ず君を幸せにする
言い訳はどうとでもなる縄のれん (浜田)三隅  彰
わたしにもそんな昔がありました (浜田)山崎 重子
夢にまで出てくるようになりました (出雲)櫛井 伸幸
早いとこ結婚式をすませよう (安来)木村 修平

○鬼にはちゃんと言っとかなくっちゃ
飲み会は断らないのがこの私 (出雲)行長 好友
右側にこぶがあるのがいい爺さん(出雲)岡  佳子

○お試し期間で半世紀過ぎ
クーリングオフはやっぱり無理らしい(松江)森  笑子

○絵文字だらけのメール着信
おまえらに負けるものかと力みすぎ (益田)石田 三章
助手募集古代エジプト研究所 (雲南)わたくんの爺

○いいのよあなたそのままでいて
まあだだよもういいかあいまあだだよ(江津)服部 千恵
神仏困ったときにはよろしくね(松江)大芦 京子
本人も真摯に反省してますし (出雲)はなやのおきな
責任は感じるだけでとりません(雲南)福場 仁一

○あの世に行っても役に立つはず
入り口で袖を広げて待つ閻魔 (江津)井原 芳政

○相手の都合をちゃんと聞いたか
県民の思い伝えに上京し   (松江)持田 高行

            ◇

 今月は、時事ネタ、政治ネタが多いですね。あらわな批判ではなくて、面白がってからかうような調子が、連歌にふさわしい。思いがけない付け方、リズムのよい的確な表現にも感心します。細かな事情を知らないとわかりにくい句もありますが、わからないという人は、ぜひニュースに詳しい人に聞いてください。膝を打つことと思います。

 それでは、今回の入選句に短句(七七)を付けてください。

 さて、4月第5週は、久しぶりに黒田ひかりさん担当のレッツ連歌スペシャルです。

 こっそり隠す茶箪笥(ちゃだんす)の中

に、こちらは長句(五七五)を付けてください。

(島根大教授)

2021年3月25日 無断転載禁止

こども新聞