「孤独のグルメ」の貴重な原画 谷口ジローさん記念展

谷口ジローさんの原画を鑑賞する来館者=米子市中町、市美術館
 鳥取市出身の漫画家・故谷口ジローさんの画業50周年を記念した原画展が23日、米子市中町の市美術館で始まった。ドラマ化された久住昌之さん原作「孤独のグルメ」をはじめ、独特の緻密な筆致が見て取れる生原稿など約200点に、来場者が見入っている。観覧無料、2月21日まで。

 初期作品から未完の遺作まで、年代やテーマごとに展示。1980年代までの陰影をはっきりさせた劇画調から、細い線で柔らかく人物や背景を書き込む作風へと、大きく変化した様子が分かる。

 1979年に始まった関川夏央さん原作の「事件屋稼業」シリーズの原画は、修正の跡や編集者へのメモ文が残り、漫画作りの現場の雰囲気が生々しい。境港市から家族4人で訪れた会社役員、伊藤裕樹さん(44)は「どれも細かく描かれ、特に動物は野生の生命力が出ていた」と話した。

 原画展は鳥取県などが主催。25日~2月21日は、鳥取市本町1丁目のギャラリー鳥たちのいえでも、52年の鳥取大火を題材にした「父の暦」など、県内を舞台にした作品の原画約50点を集めた展示会が開かれる。企画した県まんが王国官房の野村芳幸課長補佐は「谷口さんが描く瞬間が原画からにじみ出ていて、創作への熱量が感じられる」と原画の見どころを話した。

2021年1月24日 無断転載禁止