日帰り圏内の鳥取に打撃 緊急事態宣言に関西追加で

観光客が訪れず閑散としている鳥取砂丘の土産物店=鳥取市福部町湯山
 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域に京都、大阪、兵庫3府県などが追加された。関西と日帰り圏にある鳥取県内の観光地や飲食店の関係者は、昨年4月以来となる宣言を重く受け止め、国に効果的な感染防止策を求めるとともに、観光需要の掘り起こしを誓った。

 「来館者の3~4割は関西からの観光客。宣言は痛い」。人気漫画「名探偵コナン」の原画などが展示される青山剛昌ふるさと館(鳥取県北栄町由良宿)の石田敏光館長(68)は、こう本音を吐露した。

 大阪府の吉村洋文知事が政府に宣言を要請する考えを表明した7日は、大雪の影響もあり来館者がわずか4人だった。厳しい施設運営が続く中、「宣言が出された以上、来場を呼び掛けるわけにはいかない。今は耐え忍ぶ」と話した。

 「対象の関西だけでなく、中国地方や九州地方の人も来県を遠慮して予約キャンセルが出ている」と話すのは鳥取市弥生町のすし店「すし銀本店」の近藤忠和店主(72)。「中途半端な感染防止対策では拡大は止まらない。全国一律で往来を制限し早く感染拡大を止めてほしい」と政府に求めた。

 土産物店やレストランが立ち並ぶ鳥取砂丘(鳥取市)周辺では駐車場の空きスペースが目立ち、観光客もほとんど見られなかった。

 飲食店や土産物店などでつくる鳥取大砂丘観光協会の会長で、土産物店兼レストラン「砂丘フレンド」の山根弘司社長(60)は「1月の団体予約はゼロ」と苦しい現状を話した上で、「宣言が解除されるのを待っていては立ちゆかなくなる。県内需要を喚起する手だてを何か考えたい」と前を向いた。

 県は18日、宣言を受け観光施策を検討する官民の連携協議会を立ち上げる。平井伸治知事は「(感染拡大を)収めようという国全体の動きに協力しなければならない中、どう観光事業者を応援できるのか対策を考えたい」と対応を急ぐ考えを示した。

2021年1月15日 無断転載禁止