熱があるのに「正常」の恐れ 体表検温、冬場は注意

体温計(右)で測った体温より低い測定値が出たサーモグラフィーカメラ(左)=松江市末次本町、皆美館
 冬に入り寒さが増す中、新型コロナウイルス感染症対策で活躍するサーモグラフィーカメラが、冷たい外気にさらされてきた人の体温を正しく測れないケースが相次いでいる。体の表面温度を測るためで「高熱」が「正常体温」と測定される恐れもある。人とも機器とも接触せず瞬時に体温測定できる便利さから、山陰両県でも旅館や観光施設で導入が進んでおり、対応に苦慮している。

 サーモグラフィーカメラは施設入り口などに設置され、来場者が前に立つと自動的に体の表面温度を検知し、設定温度以上だと警告音や画面表示で知らせる。体温計と比べ、測定の精度は劣るが、施設従業員が応対しなくて済み、機器との接触もなくて感染リスクが避けられ、瞬時に検知できるメリットがある。

 2020年秋に導入した玉造温泉(松江市玉湯町玉造)の旅館・長楽園ではこの時期、温泉街を歩いて外の冷気にさらされた宿泊客が入館する際、低い場合で35度と測定されることがあるという。時間をおいて再測定するか、別の非接触体温計を使うなどして対応している。

 老舗旅館・皆美館(同市末次本町)は、微熱が「平熱」と判断される可能性を考慮し、警告する設定温度を37.5度から37度に下げた。品田利雄支配人は「外気に冷やされると、実際の体温より約0.5度低く検知される傾向がある」と話し、警告が出た際は別の体温計で正確に測っている。

 一方、鳥取砂丘砂の美術館(鳥取市福部町湯山)では、サーモグラフィーカメラに外気温度補正を施しているせいか、極端な低温検知は出ていないという。

 サーモグラフィーカメラを販売するニューイノベーションズ(東京都)の担当者は「あくまで皮膚の表面温度を測るもので、冬場の体温測定は大きくて約1度低くなる場合がある。時間をおいて測るといった対応をしてほしい」と使い方の工夫を呼び掛けている。

2021年1月6日 無断転載禁止