冬の味覚 カニ価格高騰 GoTo停止で落ち着くか

直売店に並んでいるズワイガニ
 カニの値段どうなる-。国の観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止で、鳥取県が誇る冬の味覚ズワイガニの価格動向に消費者や関係者が注目している。11月6日に漁が解禁されたズワイガニの価格は、同事業で飲食店などの需要が伸びて高騰。同月末時点の平均単価は昨年同期と比べて26%上昇していたが、事業停止で関係者からは「価格が落ち着く」との声も上がり、手が届きやすい冬の味覚になる可能性が出てきた。

 県水産課によると、11月末時点の雄の「松葉ガニ」の水揚げ量は185トン(前年同期比9%増)と増えたにもかかわらず、1キロ当たりの平均単価は4575円(同30%増)と高騰。全体の水揚げ金額も約8億4800万円(同42%増)に増えた。

 カニ汁の具材などに使われる雌の「親ガニ」の水揚げは191トン(同14%減)と減だったが、平均単価は3550円(18%増)と値上がりし、水揚げ金額も6億7900万円(同2%増)に伸びた。

 鳥取県は観光支援事業で飲食店や旅館での需要が上がり、市場での引き合いが強まったためと分析する。

 海鮮市場「かろいち」(鳥取市賀露町西3丁目)内にある直売店「JFかろいち店」は高価格帯の松葉ガニの販売価格を据え置いた一方、例年1枚500~600円で販売していた親ガニを千円に値上げした。

 コース料理で生きた状態の松葉ガニ「活松葉」を毎月400~500枚出す「味処美佐」(境港市京町)の浜野政和代表は「松葉の仕入れ値は1.5倍くらいで今年は高すぎる」と首を振る。時価設定ではないため、コース料理も大きく値上げできず、利益も前年ほどではない状況が続いている。

 政府がGo To トラベルを28日から来年1月11日まで全国で一時停止したことで価格はどうなるのか。

 浜野代表は「年末までは高止まりするだろうが、年明けからは少し落ち着くのではないか」と予想。県漁協網代港支所(鳥取県岩美町大谷)の元部繁紀総務部長代理は「漁の具合にもよるが、今より上がることはない」と見る。

 家計にも朗報は届くのか。小学生2人の娘を持ち、親子でカニが大好きという米子市新開5丁目の主婦(42)は「今年は比較的安いベニズワイガニで我慢している。松葉ガニが安くなればカニすきを楽しみたい」と、食卓で冬の味覚の王者を囲む日を待ち望んでいる。

2020年12月22日 無断転載禁止