雪はあるのに、GoTo停止 山陰のスキー場、複雑な思い

営業開始に向けて準備が進む琴引フォレストパークスキー場=島根県飯南町佐見
 山陰両県のスキー場関係者が複雑な思いで今季オープンを迎える。直前の寒波到来で積雪を確保し久しぶりに雪が充実したオープンを迎えられそうだが、時を同じくして観光支援事業「Go To トラベル」が年末年始に全国で一時停止し、宿泊キャンセル客も出始めている。たたでさえ、近年の雪不足による営業不振でスキー場の休止や閉鎖が相次いでおり、時機の悪さに恨み節も聞かれた。

 西日本有数のスキー場・だいせんホワイトリゾート(鳥取県大山町大山)はスキー場開きを翌日に控えた18日、積雪が80センチを超えた。太田昌雄シニアマネジャー(42)は「この時季としてはここ5、6年で一番よい状態」と喜んだ。

 昨季は雪不足で、営業日数が前季より半減の37日にとどまり、入り込み客数は5万人割れと記録が残る1975年以降最少となった。昨季の影響で今季は四つのゲレンデのリフト16基中8基を休止して経費を圧縮しただけに、大前提となる積雪にほっとする。

 一方で「Go To トラベル」の影響も出てきている。スキー場の系列ホテルでは事業が停止される28日から来年1月10日の予約が約150件キャンセルとなった。広域での集客も目指している太田シニアマネジャーは「(来年)1月11日以降に期待して前を向くしかない」と今後の動向に気をもんだ。

 19日にプレオープンする鏡ケ成スキー場(同県江府町御机)では、トラベル事業の停止でゲレンデに隣接する宿泊施設は停止期間中のキャンセルが約130件発生。両施設を管理する休暇村奥大山の柴山武志副支配人(55)は「停止するならもっと早く決めてほしかった」とこぼす。ゲレンデには120センチの積雪があるがトラベル事業の停止で外出自粛ムードが高まることを警戒「一般客にも悪影響を与えないといいが」と不安視した。

 山陰両県のスキー場では瑞穂ハイランド(島根県邑南町市木)やアサヒテングストン(浜田市旭町)など昨年から今年にかけ4スキー場が休止や閉鎖となるなど、スキー場も暖冬傾向で厳しい経営状況が続く。

 今季島根県内で唯一営業する琴引フォレストパークスキー場(同県飯南町佐見)は26日にオープン。管理する飯南トータルサポートの福岡一樹マネジャー(45)は「ウインタースポーツを広めるのは自分たちの責務。お客さんに喜んでもらえるよう努めたい」と意気込んだ。

2020年12月19日 無断転載禁止