女子ログ 置かせてもらっている引け目

 普段はご無沙汰をしているくせに年に2回だけ、ちゃっかり実家に顔を出す。ズバリ、タイヤ交換のためだ。わが家には車2台分のタイヤを保管するスペースがないので、結婚したときに、実家の物置を使わせてもらって以来甘えていて、すっかり既得権益化しているのだ。

 今年の冬は大雪になりそうだというニュースを見た。ならば早めに交換しようと思い、実家へ寄った。

 実家の裏にある古い物置の引き戸を開けようとする。でも、もう随分古い戸で、滑車もさびてしまっているから、「よいしょ」と力を入れないと開かないのだ。物置の中は、今ではほとんど使わないものばかり。捨てればいいんだろうけど、年を取った親は面倒くさそうだし、かといって私も自分の仕事じゃあないと思っている。

 さっさとタイヤを車に移してガソリンスタンドへ。今年は早めの対応にわれながらやるじゃん、と満足していたのが、寄ってきた係員の一言で、がくぜんとした。「タイヤのサイズが違いますよ」。何のことはない。父のタイヤを間違って持ってきてしまったのだ。

 雑然とした物置の中を思い出した。「もー、片付けて分かるようにしてよ」なんて言っても、置かせてもらっている引け目はある。やっぱり、私から片付けを提案すべきだろうか。

 (松江市・アルペジオ)

2020年12月16日 無断転載禁止