複数職員、残業月80時間越え 松江市保健衛生課

 新型コロナウイルスの現場対応を指揮する松江市保健衛生課で4~9月、職員12人のうち5人の時間外労働(残業、休日出勤)が月80時間の「過労死ライン」を超えていたことが15日、分かった。市内で感染が拡大していた時期で、このうち3人が100時間を上回った。感染流行の「第3波」に対する人員体制の強化が急がれる。

 市内では4月上旬に島根県内1例目の感染者を確認。その後、飲食店と私立高校でクラスター(感染者集団)が発生し、市内の累計感染者数は県内全体の8割に相当する134人となっている。

 市保健衛生課は、2018年4月の中核市移行に伴い、県と共同運営する「松江市・島根県共同設置松江保健所」(通称・松江保健所)の実務的な指揮命令を行っている。

 感染者の行動歴の聞き取りや感染経路の特定といった疫学調査を行う保健所に対して感染者情報を提供するほか、県内6圏域の保健所を管轄する県薬事衛生課との連携、記者発表の日時や内容の調整などを担当。

 感染者が相次いで確認された場合、休日出勤や深夜残業も珍しくなく、4月と8月は5人、5月と6月は4人が、80時間以上の時間外労働をしていた。このうち3人は複数の月で100時間を上回った。

 食中毒事案の対応や国の法制定に伴う条例改正といった新型コロナに関わりのない通常業務も抱えており、管理職を除く1人当たりの4~9月の時間外労働は月平均56.4時間に上り、県薬事衛生課(19人、44.2時間)の1.3倍だった。

 市は4月と10月にそれぞれ1人を増員し、繁忙時には他部署から3人程度の応援派遣を行ったが、長時間勤務の根本的な是正には至っていない。市職員は災害対応の際は年720時間を超える時間外労働が認められているものの、再び感染が拡大すれば、業務量が急増する恐れがある。

 市総務部の講武直樹部長は「状況に応じて部局を超えた応援派遣をさらに強化することが必要だ」と述べ、職員の負担軽減に取り組む考えを示した。

2020年12月16日 無断転載禁止