入院時の面会も我慢の時 山陰両県、院内感染防止策強化

面会禁止を知らせる病院玄関前の張り紙=松江市西津田8丁目、松江生協病院
 山陰両県で11月以降、新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、各病院が院内感染を防ぐための対策を強めている。感染流行の「第3波」に備えて多くの病院で入院患者との面会が禁止され、家族にとっては我慢の時が続く。

 島根県の大田圏域で最多の200人以上の入院患者を抱える大田市立病院は、隣接市にある県立中央病院(出雲市)で入院患者の感染が確認された翌日の8日、家族1人のみに許可してきた面会を原則禁止に改めた。患者の着替えや日用品は職員に預けてもらい、外部との接触回避を徹底する。島林大吾事務部長は「地域医療の崩壊に直結する院内クラスター(感染者集団)は起こさせない」と話し、職員には同日、年末年始に県外への帰省と旅行をしないよう通知した。

 県立中央病院も山陰両県内の親族1人に限り、1日当たり1回30分としていた面会を禁止に変更。松江市中心部で約300床を有する松江生協病院は11月下旬から面会禁止の対応に切り替え、これまで認めていた入院患者の外出や外泊も不許可としている。

 11日に市内の別の病院を訪れた50代の女性は2週間近く入院している80代の父親の顔を見られておらず「面会禁止は仕方のないことだが、カウンターで荷物だけ渡して帰るのは、やっぱり寂しい」とこぼした。

 島根県海士、西ノ島、知夫3町村の医療を担う隠岐島前病院(西ノ島町)は医師の許可を得た家族1人の面会を許可しているが、病室とは別室にするなど制約は多い。中尾清司事務長代理は「不便を強いるが、島前地域で入院診療ができるのはここしかない」と強調。会えない家族には、テレビ電話機能を使ったオンライン面会でフォローする考えという。

 入院中だけでなく、入院前の水際対策も重要性を増している。鳥取県立中央病院(鳥取市)は11月末から、発熱や呼吸器障害が疑われる患者に限っていた救急搬送時の抗原検査の対象者を大幅に拡大した。感染防止対策室の栃本浩紀看護主任は「搬送時に拾えるところは拾い、万が一、院内にウイルスが入っても拡大しないよう努めたい」と話した。

2020年12月12日 無断転載禁止