マスクなし乗車お断り 山陰両県のタクシーでも

山陰両県でもタクシー会社が運送約款を変える動きが出ている=松江市朝日町、JR松江駅前
 東京都内のタクシー会社が、マスク着用を拒む客の乗車拒否を可能にした運送約款変更の認可を受けた。新型コロナウイルスの流行が再拡大していることから山陰両県の会社でも追随する動きが出ている。

 道路運送法はタクシー事業者が泥酔者や暴力的な客を除き、原則として乗車拒否をできないと規定。各社は同法に基づき、運送約款を定めている。

 国土交通省は11月上旬、乗務員だけでなく次の利用者の感染防止対策にもなるとし、都内の10社から申請があった、マスク未着用の客を乗車拒否できる約款変更を認可した。

 新型コロナ対策に有効とみるタクシー会社の動きはすぐに山陰両県に伝わり、国交省中国運輸局の島根、鳥取両運輸支局によると、11月末現在で同様の約款変更は鳥取県内の6社で認可されたという。

 38台が稼働する皆生タクシー(鳥取県米子市旗ケ崎)は、乗務員に1人でも感染者が出れば営業停止になりかねないとして、安全第一を念頭に申請した。杉本真吾社長は、年末に多くなる飲み会でアルコールが入った客がマスクをしないまま乗車することを懸念し、「約款があれば乗務員の安心につながる」と説明する。

 慎重に検討を重ねる松江一畑交通(松江市上東川津町)では約款を変更した場合、マスクを車内に常備して客に渡すといった配慮が必要になるとし、課題を整理している最中とする。

 コロナ禍で客足が遠のく中、さらなる客離れにつながる懸念があり、様子見する会社もある。空気清浄器を全車両に配備するといった対策を講じている米子第一交通(米子市両三柳)の出口幸則主任は「1人でも多くの人に乗ってほしい。(約款変更は)制約をかけてしまうでのはないか」と予想する。

 松江市内のタクシー会社に勤務する男性乗務員(70)が「都会よりも周囲の目が厳しい田舎だから、客は99%マスクを着けている」と明かすように、予防意識が高く、マスク無しの客は少ないという声もあった。

2020年12月7日 無断転載禁止