行動変容求められる社会 第3波への備え・インタビュー

島根県医師会・森本紀彦会長
 -日本医師会、東京都医師会が医療資源の確保という観点から、「第3波」に備える強いメッセージを繰り返し出している。

 「山陰両県では都会地に比べると感染者が多く出ているわけではないが、『日本の縮図』と言える東京都の動向を先行指標として注視している。都内の感染者は右肩上がりになっており(島根でも)警戒を強めている」

 -新型コロナウイルスの感染疑い事例への対応を巡り、発熱などの症状が出た場合、かかりつけ医で対応する新たな仕組みが11月にスタートした。

 「保健所か、かかりつけ医か、大きな病院か、患者がどこへ行っていいか分からない状態は減る。保健所の負担を減らすという点でも有効だ。一方で熱心に取り組む所ほど風評被害を受ける可能性があり、かかりつけ医院での医療従事者の負担が増すのは確かだ。自民党が感染者らに対する差別解消に向けた議員立法の法案をまとめ、与野党に賛同を呼び掛けている。島根県内でも、県医師会を加えた形で風評被害の解消宣言を出すよう県などにお願いしている」

 -医療資源が比較的少ない離島や中山間地域でクラスター(感染者集団)が発生し、万が一病院機能が停止するようだと深刻な状況になる。

 「例えば隠岐圏域では医療機関、介護施設などで少しでもおかしいと思ったら重点的に抗原検査をするなど、対策を手厚くすることは考えられる」

 -かかりつけ医をサポートする機能として、島根県内では七つの医療圏域ごとに「地域医療・外来センター」が設置されることになる。松江圏域では医師会が主導して設置した。

 「松江では10月31日から11月19日までで110件の抗原検査をした。持ち込み(患者が訪れて検体を取る)が6割、集配が4割。年末年始も対応してもらえる予定でいる。爆発的に感染者が増えない限りは、対応できると考えている」

 -診療所など小規模な医療機関でマスクやガウンなどの防護用具は不足していないか。

 「手挙げをした医療機関には県を通じて物資が入るようになっており、一時の状況を考えると、ほぼ行き渡っている。簡易キットによる抗原検査にも十分対応できるようになっている」

 -過度な受診控えが出ると住民の健康維持、病院経営の両面で影響が大きい。

 「不要不急の受診を控える考え方がある一方、特に子どものワクチン接種だけは、今はいいか、ではなく決められた時期にきちんと受けてほしい。慢性的な疾患がある人も、電話をした上で『Go Toドクター』の気持ちで、かかりつけの医師の所で受診し、体を管理してほしい」

 -地域医療を守るため社会で必要なことは。

 「感染から発症時期は4、5日で、発症日の2日前から5、6日後は感染力が強い。こうしたウイルスの特性を理解し、手洗いや消毒、マスク、会食の人数や位置に気を付ける行動変容をお願いしたい」

2020年12月6日 無断転載禁止