忘新年会の開催、見送り7割超 飲食店や宿泊施設、危機感

忘新年会の開催を見送る企業などに対し、松友が売り込んでいる「ねぎらい折詰」=米子市角盤町1丁目、魚ろばた海座
 新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、山陰両県で忘新年会を取りやめる企業が増えそうだ。民間調査会社のアンケートによると、回答した両県企業の7割超が開催しない意向を示した。飲食店や宿泊施設は危機感を募らせ、個人客の取り込みに力を入れるほか、開催を見送る企業に折り詰め弁当を売り込むなど売り上げ確保に懸命だ。

 東京商工リサーチが11月中旬に実施した調査では、「昨年開催し、今年は開催しない」と答えたのは島根県が30社、鳥取県が27社。

 「昨年は開催せず、今年も開催しない」(島根7社、鳥取9社)を合わせた「開催しない」企業の有効回答に占める割合は、島根72.5%、鳥取76.6%に上った。年末年始の恒例行事とはいえ、社内で感染者が出れば事業活動の停滞を招くことになり、開催に慎重な姿が浮かび上がる。

 一方、飲食店や宿泊施設にとっては書き入れ時となるだけに、自粛ムードの高まりは逆風となる。

 ANAクラウンプラザホテル米子(米子市久米町)によると、大規模な宴会需要はほぼ消失。1件あたりの規模も少人数化しており、件数は前年比で少なくとも半減する見通しとなっている。

 影響を最小限に抑えようと、飲食業を支援する国の「Go To イート」などを利用する個人客に照準を合わせ、個室対応や消毒、飛沫(ひまつ)感染防止対策の徹底をアピール。安養寺亨執行役員は「法人や団体利用は非常に厳しい状況なので、個人の小規模な集まりを積み重ねていきたい」と話す。

 松江、米子両市で居酒屋「旬門」など3店を展開する松友(同市宗像)は、開催を見送る企業の動きを捉え、特製弁当「ねぎらい折詰」を企画した。地元食材を中心にウナギ、イクラ、エビなどを使って彩り豊かに仕上げる。

 仕事納めの日などにまとまった注文が入っており、松田優美子社長は「『一年間のお疲れさまの気持ちを込め、せめて豪華な弁当でも配りたい』といった需要を取り込みたい」と強調。忘新年会の予約がほとんどなくなった中、売り上げ確保に頭をひねる。

2020年11月28日 無断転載禁止