島根 インフルワクチン足りない コロナ禍で希望者増

インフルエンザの予防接種を行う医師=出雲市塩冶有原町6丁目、江口内科医院
 10月に始まったインフルエンザの予防接種について、島根県内でワクチンが足りず、一部で受け付けを断る医療機関が出ている。発熱などの症状が似通う新型コロナウイルスとの同時流行の懸念から、接種希望者が例年以上に多いためだ。両県とも重症化リスクの高い高齢者が多く、医療関係者からは「希望者全員が受けられるように」と対応を求める声が上がっている。

 厚生労働省によると、今季の国内のワクチン供給見込み量(10月時点)は2015年以降で過去最大の6644万人分(成人量換算)。一方で、高齢者や医療従事者など優先接種対象者の推計人口や昨年度の供給実績を基に、国が示す都道府県ごとの供給目安量は、鳥取が全国で最少の30万人分。島根は徳島、高知と並び2番目に少ない38万人分となっている。

 介護関係で働く藤井寛幸さん(32)=松江市古曽志町=は、今月上旬に予防接種を済ませた。藤井さんは「高齢の利用者と接するため発熱はもってのほか。無事に接種できてよかった」と胸をなで下ろす。ワクチン仕入れ量を前年より3割増やし、10月上旬から予防接種を始めた松江市内の50代の医院長は「今年は接種希望者の動きが早くなっている」と、コロナ禍を受けた来院者の意識変化を感じる。

 予防接種の希望が多いため、ワクチンの在庫が少なくなる医療機関が出てきた。江口内科医院(出雲市塩冶有原町6丁目)は、平年比3割増の約1300人分を確保したが、7、8割がすでに接種済みか予約済み。たにむら内科クリニック(松江市春日町)は、予約受付の初日に150件の問い合わせを受け、急きょワクチンを追加発注したが、見通しが立たないため新規予約を断っている。谷村隆志院長は「島根は人口こそ少ないが高齢の方が多く需要はある。こんな時こそ数をしっかり届けてほしい」と切望した。

 厚生労働省によると、全国的に接種希望が多い傾向にあり、11月6日時点で今季分の9割が出荷済み。健康課予防接種室の稲角嘉彦室長補佐は「整形外科や耳鼻科でも受けられる場合がある。情報収集をしてほしい」と呼び掛けた。

2020年11月18日 無断転載禁止