音楽トリビア26の秘密 秘密(17)音程の「協和と不協和」

音程の違い 聴いて実感して

 鍵盤(けんばん)の白鍵(はっけん)だけじゃなくて黒鍵(こっけん)も含(ふく)めると、音の隔(へだ)たりの一番小さな単位は「半音」でしたね。だから、どの音からで始めても同じ。なので、半音の個数(こすう)を基準(きじゅん)として、音程(おんてい)の呼(よ)び名、種類を書いた表を作りました。

歌いやすいのに不協和

 表には短2度も長2度も「不協和音程」とありますね。「カエルの歌」に多い2度、すごく歌いやすくて楽しいのに、なぜか「不協和」。500年以上前の西洋で名付けられたので、今の感覚とは違(ちが)うのは確(たし)かでしょう。ですが、続けて弾(ひ)いた感じよりも、同時に鳴らした感じで名付けたのではないかと思います。同時に鳴らすと、ぶつかる感じがすると思います。互(たが)いに反発し、溶(と)け合う感じがしないので、この名を付けたのだと思います。さらに全音より、半音の方が、より「ケンカ」をしている感じだと思うけど、みんなはどう感じるのかなぁ。この半音の間隔(かんかく)の「緊張感(きんちょうかん)」も、音楽の感動を生む一つなのです!!

 さて「不完全協和音程」と名付けられている3度。旋律(せんりつ)でも同時に弾いても良い響(ひび)きなのに、なぜ不完全? 実は長3度、ド↑ミの下のドの音をオクターブ上げると、ミ↑ドとなり、短6度。長短が入れ替(か)わるからなんです。長6度のソ↑ミも、ひっくり返すと短3度ミ↑ソになる(図1)。だから3度と6度は親せきのようなものですね。

 「不協和音程」の2度と7度も同じような関係なので、このような関係にある音程は、上の表の枠(わく)の外に線をひいて示(しめ)してあります。

 さあ、難(むずか)しい話より、まず実感! 短3度で始まる曲は「春の小川」「エーデルワイス」や「グリーンスリーブス」などとても多いです。

 長3度。これで始まる曲も「トンボの眼鏡(めがね)」「カモメの水兵さん」「聖者(せいじゃ)の行進」などいっぱいありますよ。歌を思い出せれば、感じがつかめると思うけど、QRコードでも見聞きしてね。

 ここでは上行(じょうこう)音程の旋律だけ3曲ずつ挙げたけど、QRコードの動画には、下降(かこう)の音程で始まる例も入れているのでお楽しみに!

響き安定した完全協和

 完全4度は、よく名曲の開始に使われる、ソドレミのソドなので、本当にたくさんあります。しかも「天使の音程」と呼ばれていて、クラシック音楽ではドイツの作曲家シューマンの「トロイメライ」が有名です。日本の歌には「赤とんぼ」や「浜辺(はまべ)の歌」があるように、やはりロマンティックな曲が多いですね。

 完全4度の「完全」とは、二つの音を同時や、続けて鳴らしたときに、とても安定した響きがするので「完全協和音程」と名付けられたのが由来です。完全音程のもう一つの特徴(とくちょう)は、二つの音の一方の音をオクターブ上げても同じ完全音程になることです。完全1度が完全8度になるのはすぐに分かりますね。では完全4度は、例えばソ↑ドのソをオクターブ上げると、ド↑ソ。これが面白いことに完全5度となるんです。

 次号も音程の話が続きます。もしかしたらお気に入りの音程が見つかるかも。

(プラバホール芸術監督(げいじゅつかんとく)・長岡愼(ながおかしん))

2020年11月11日 無断転載禁止

こども新聞