島根の窯元、ネット販売に力 新たな収入源へ

出西窯のネットショップで自社商品の売れ行きを確認する中鉢耕助取締役
 新型コロナウイルスの影響を受け、島根県内の窯元がインターネット販売に力を入れている。対面での店頭販売と各地での展示即売会の開催が難しくなっているためで、新たな収入源を目指し、環境を整える窯元が出ている。

 「事態収束の見通しが立たない中、何かしなければという思いだった」。出西窯(出雲市斐川町出西)の中鉢耕助取締役(40)が振り返る。緊急事態宣言後の5月上旬、皿やカップなど約70種類をそろえるネットショップを開設した。

 出西窯は敷地内に衣料品店やカフェを構えるなど集客に特化し、店頭売り上げが全体の8割を占めるが、外出自粛の影響で4月の売り上げは前年同月比8割減となった。

 対面販売が難しい中で、試験的にネット上での販売を始めたところ、予想外の好評を得た。現在もネットが全体の売り上げの2割に上り、品切れ商品の再入荷をメールで知らせる機能を新たに付け、需要に迅速に対応している。品目を200種類に増強し、中鉢取締役は「コロナ禍だからこそ新しい取り組みをしたい」と意気込む。

 松江藩の御用窯で260年以上の歴史を持つ雲善窯(松江市玉湯町布志名)。4月の緊急事態宣言後、観光客の姿が消えた上に、参加を予定した展示会が全て中止となり、一時は売り上げがほぼゼロとなった。

 このため、通販アプリ「BASE(ベイス)」で出品を開始。土屋知久代表(38)は、発送する際はアプリの商品写真と実物で極力、色や形に違いが出ないよう注意を払っているとし「作業は大変だが、遠方のファンに購入してもらえるのは大きい」と話す。

 いまみや工房(松江市東出雲町今宮)も、これまで行っていた陶芸体験やカフェの営業を制限したことで生まれた時間を、オンラインショップ開設に充てた。湯飲みや花入れをはじめ約30品を出品しており、三島耕二代表(61)は「地元の土で作った品を多くの皆さんに触れてもらうきっかけにしたい」と本格的に取り組む考えだ。

2020年10月30日 無断転載禁止