女子ログ 寝相狂想曲

 幼い頃から、寝相がものすごく悪かった。母によると、夜中にムクッと起き上がって、バタンとあらぬ方向に勢いよく倒れるそうだ。足を上げて振り下ろすこともあり、父は顔面に私のかかと落としをくらい、青タン姿で仕事に行って夫婦げんかを疑われたことも。布団をはねのけて転がるのは日常茶飯事で、朝起きたら隣の部屋でソファの下に挟まっていたこともあったそうだ。

 そばで寝る両親はたまったもんじゃなかったかもしれないが、好きな姿勢で寝るのは気持ちいい。ところが、大人になって妊娠しておなかが大きくなるとそうもいかなくなった。おなかを下にして寝るわけにはいかないし、そもそも動きづらい。

 出産を終えたら思う存分好きな姿勢で寝るぞ!と思っていたのもつかの間、生まれてみると私は身軽になったものの、今度は横で寝るわが子をつぶさないよう気を付けねばならない。ちょっと太めの母が乗っかれば、小さな命はひとたまりもない。結局あまり動かないように寝るしかない。

 そんなことを繰り返し、いつの間にか3人の子持ちになった。動かないように寝る私の周りで、子どもたちは夜な夜な布団を蹴り飛ばし、お互いを乗り越え縦横無尽に動き回る。今夜もどこからともなく降ってくる頭やかかとを警戒しながら、寝相の悪さが色濃く遺伝していることを痛感する毎日である。

 (松江市・ぽよ美)

2020年10月16日 無断転載禁止