リンゴの唄とトラックの日

 毎日、何かしらの記念日がある。きょう10月11日は「リンゴの唄の日」。<赤いリンゴにくちびる寄せて…>。誰もが口ずさめる懐メロは、75年前のきょう封切られた映画「そよかぜ」の挿入歌で、敗戦直後の憔悴しきった国民の心を癒やした▼おととい10月9日は「トラックの日」だった。「ト(10)ラック(9)」の語呂合わせが由来ながら、トラックが国内貨物輸送量の9割(10分の9)を支えているのも、この日にはピッタリ。冒頭のリンゴも本場・青森産の9割以上がトラック輸送という▼ただ、この割合は将来変わってくるかもしれない。JR東日本が8月、東北新幹線の客席を利用した地産品輸送試験を行った。専用の1車両を確保し、宮城県石巻市で当日朝に水揚げされたヒラメやスズキなどを東京へ直送。東京駅構内の飲食店で寿司や海鮮丼などとして販売した。<朝どれ鮮魚にくちびる寄せて…>。うらやましさに懐メロの替え歌を口ずさむ▼先月末は、秋田県オリジナル品種のダリアを秋田新幹線の業務用スペースに積み込み東京駅へ運ぶ試験も行われたという。人手不足の中、大量輸送できる新幹線を使った「貨客混載」は注目を集めそうだ▼「東京の人ばかり恵まれて」とやっかみも聞こえてきそうだが、地方にとっては鮮度の高い地元産品をアピールできる利点もある。もっとも”新幹線空白地”の山陰には当分縁がなさそうだが。(健)

2020年10月12日 無断転載禁止