ビジネス目的の日韓往来再開 人的交流回復の一歩と期待
新型コロナの陰性証明書や活動計画書を提出すれば、入国後14日間の隔離が免除され、短期出張が可能となる内容で、日韓両政府が合意した。行動範囲は仕事先や滞在施設などに限られるが、経済活動をする上での制限が緩和される。
韓国・大邱市の協力工場から建材を調達している建築設計施工のリバース(鳥取県米子市二本木)は、同工場に顧客を案内するための月1~2回の訪韓がストップしている。電話やメールで代替しているものの、長棟信泰社長は「やはり現地を目で見ることが安心感、信頼性につながる」と指摘。往来の再開措置を歓迎する。
日本酒を輸出している千代むすび酒造(境港市大正町)の岡空晴夫社長も、韓国内で日本食レストランを中心に日本酒の需要が回復基調にあり、新商品の売り込みをかけようとした矢先だけに「制限が緩和されることは良いことだ」と話す。
ただ同社は東京への出張もいまだに禁止中。韓国内の感染状況をつかみかねており、岡空社長は「周囲の目もある。実際に出向くかは様子見になる」とし、当面はビデオ通話システムによる商談を続ける考えだ。
一方、国際定期航空路線・米子-ソウル便は運休が続いている。
搭乗客の大多数は観光客で、需要の先行きが見通せない中、運航するエアソウルの山根保彦米子支店長は「人的交流が回復に向かうという意味で流れとしては悪くない。明るい兆し」と強調。成田、関西両空港のみだった日韓路線で、中部、福岡に運航の動きが広がる中、感染終息を含め、米子の路線再開に向けた環境が整うことを願った。
2020年10月8日 無断転載禁止