女子ログ マスクのせいにすればいい

 顔は覚えているんだけれども、名前が思い出せなくて、困ってしまうことがたまにある。

 葬式で親族として参列者を会場の玄関先でお見送りするとき、「元気を出してね」と声を掛けてくれた方に「今日はありがとうございました」といいながら、心の中では「見たことがある人だけど思い出せない」などということは1人や2人ではなかった。

 後で母にこっそり教えてもらい、自分の物覚えの悪さに自己嫌悪に陥ったのだった。

 このところ、マスクをしたままで人に会い、話を終えてそのまま別れるのは、感染防止を考えたら当たり前なのだが、これではさらに人の顔を覚えられなくなりそうだ。髪型と背格好と目元で初対面の人を覚えておくのは、ちょっと自信がない。

 ある会合で一緒になった人で、たぶん知り合いのはずだと思ったのだが、自信がない。それでもチラチラと視線を送ってしまい、失礼だと思われたらどうしようか、とビクビクしていたら向こうから「久しぶり!」と声を掛けてくれた。

 マスクをしていても目を見てすぐに私だと分かったらしい。そんなに特徴のある目元じゃないのになあ。

 彼女いわく「まあ、違っていたら、マスクで見間違えましたって謝れば済むことでしょ」。そうか、マスクのせいにすればいいんだ。

(米子市・バイオレット)

2020年9月27日 無断転載禁止