女子ログ 押し入れの隅から…

 昨年のちょうど今頃のことだった。夏物をそろそろ整理し始めようかと思い、押し入れをごそごそといじっていた。

 こういうときって、手早くパッパッと作業をすればいいんだけれども、先へ進めないのが私の悪い癖だ。以前探していたけれど、見つからないままだった物が押し入れの隅っこの方からひょいと出てきたり、懐かしい物が大量に出てきたりすると、作業の手はピタリと止まる。

 昨年、私の手を止めてくれたのは、子どもたちが小さい頃に使っていた絵本。「これ、何入れていたっけ?」と思い、段ボール箱のテープを外してみたら、大量に出てきたのだ。

 要らない本はなるべく古本屋に持って行くのだが、この本だけはまとめて押し入れの中にしまっておいたのだ。

 絵本は決して美しい状態ではない。ページが破れていたり、折れ目が思い切りついていたり、子どもたちの落書きもあちこちに残っている。要するに、古本屋に持って行っても値は付かず、「処分しますね」と言われそうな状態なのだ。

 でもページの破れも落書きも、私にとっては大切な思い出だ。あらためて開けてみて、確かにそうだと実感した。ひと通り目を通して昔を思い出した後、またそっと押し入れの隅に返しておいた。こうして私の片付け作業はまたまた進まないのだ。

 (米子市・醸)

2020年9月26日 無断転載禁止