女子ログ 男親との悲しい距離

 「ちょっと!くっつかんで!」寝起きながら、娘の大声が突然聞こえてきた。ご飯を食べた後、遊び疲れてテレビの前でうたた寝をしていたのだが、夫も一緒になって寝てしまった上、どっちが近づいたのかは分からないが、お互いの脚が接触していたのだった。

 思春期を迎えたわが娘にとっては、男親に接触するなんてもってのほか。普段から「汚い」「臭い」と毛嫌いしているので、脚がちょっと触れただけでもこんなふうに大騒ぎだ。

 独身時代はものぐさだった夫をこちらとしてはかなり「改善」させたつもりだ。身だしなみは口を酸っぱく注意して、帰宅したらまずきちんと手を洗い、汚れた服は着替えてできれば顔も洗ってなどと、新型コロナウイルスが拡大するずっと前から徹底させていた。残念ながらそれでも娘にとっては汚くて臭い存在なのだ。

 家庭によって事情は異なるかもしれないがまあ、思春期になっても男親とベタベタするのもまた困りものだと思うので、夫には耐えてもらうしかない。

 いわば夫と娘だけのソーシャルディスタンスだ。過度に接触しなければ私も娘もいろいろと頼りにしているんだから。そういって慰めるのだが、表情を見る限りあまり慰めにはなっていないようだ。

 (松江市・みるる)

2020年9月25日 無断転載禁止