三瓶山での夜神楽公演に出演団体が歓迎の声

草原に設けた舞台で舞を披露する多根神楽団の団員たち=大田市三瓶町、三瓶山西の原
 島根県大田市三瓶町の三瓶山西の原で高級感あるキャンプを楽しむ「グランピング」ツアーの一環で行われている夜神楽公演が、地元の神楽・社中にとって貴重な舞台となっている。新型コロナウイルスの影響で公演がことごとく中止・延期となる中、「ようやくお客さまの前で舞える場が見つかった」と歓迎の声が上がる。

 グランピングツアーは旅行商品企画のワンダートランクアンドカンパニー(東京都)が8~11月に行う。ベッド、テーブル、電源を備えたテントで1泊し、追加メニューとしてそば打ち、神楽面絵付けなどの体験を楽しむことができる。

 夜神楽公演も追加メニューの一つで、地元組織「石見銀山神楽連盟」の協力を得て実施する。週末・祝日を中心に、晴天の場合は三瓶山を背景にした草原に舞台を設営し、かがり火をたいて舞を披露。雨天の場合は「多根神楽伝承館」(大田市三瓶町)など屋内施設を使用する。屋外であればグランピング客以外の観覧も、「密」を避けながら有料で一部受け入れる。

 同市温泉津町の「石見神楽温泉津舞子連中」は、9日の公演が約5カ月ぶりとなる観覧客の前での舞だった。大門克典団長(49)は「本当にありがたい。神楽を舞う側も見る側も『飢え』が来ている部分がある」と笑う。

 先陣を切って1日、3演目を披露した同市三瓶町の「多根神楽団」の神在哲哉団長(40)は「公演がなくなればその分、神楽団や社中の収入も減る。舞う機会が与えられたことに感謝したい」と話す。

 ワンダートランクアンドカンパニー社は今後もさまざまな神楽団・社中に登場してもらう方針で、笠井大介ディレクター(41)は「コロナで制約はあるが、神楽の魅力を発信していけるよう努力し続けたい」と述べた。

2020年8月13日 無断転載禁止