女子ログ パラレルワールド

 もし新型コロナウイルスの感染が広がっていなければ、今頃は東京五輪の話題で日本中が持ち切りだったんだろう。そんな想像をしていると、SFの小説や映画に出てくる「パラレルワールド」に陥っているような感覚になる。

 現実と並行して、もう一つの世界が存在するパラレルワールド。私の想像する中では一流選手たちが連日テレビに登場し、東京は大勢の人が世界各地から集まっていて、これまで見たことのないような混雑ぶりで、自分もぜひ同じ空気を吸いたくて上京しようにも切符も宿も取れなくて…。ということが、新型コロナさえなければ、起きていたわけだ。

 ただ、延期ということだからなのか、残念という感覚は生まれてこない。あったはずの世紀のビッグイベントがないというのは、とにかく不思議な気分だ。

 そういえば、昨年読んだ小説に、東京パラリンピックの競技シーンが登場する場面があった。作品が発表されたときは、もちろん今年大会が行われることを前提に書かれていたし、近未来的な描写がとても面白かったし、感動した。

 作者もまさか延期になるとは思ってもいなかっただろう。でも、今の時点で読み返すのも結構面白い。時間軸のゆがみに少し頭がクラリとするが。

(米子市・シルエット)

2020年7月28日 無断転載禁止