女子ログ 冷静に、淡々と

 先日、子どもが生まれた。

 新型コロナウイルスの状況が悪化する中、診療所の入り口には入館者の体調検問が設けられ、妊婦検診の半数が電話診療に切り替わった。

 生まれたのは米国フェニックス市内の大きな病院。コロナ感染者を受け入れる病棟がある。陣痛が来て夫が病院まで送り、1人で受け付けをするのだが、マスクやフェースシールドを介してでは、英語を聞き取るのがいつも以上に難しい。陣痛が強くなる中、自分の体のことや胎児の様子、無痛の麻酔のことなどちゃんと会話が成り立っていたかどうか定かでないが、無事にお産は終わった。

 次の日の退院まで、スタッフが代わる代わる新生児と産後のケアをしてくださった。誰もが狭い病室の中で濃厚接触をするので、私も入室する医療従事者も、皆院内に入ってから出るまでマスク着用を徹底し、手を頻繁に洗う。お互いに必要なコミュニケーションを取りながら、無事に退院することを第一に淡々とするべきことをする。

 コロナが広がる前も努力はあったと思うが、こういった状況の中でも「安全に、やるべきことをする」医療従事者への感謝を忘れないで、今後も感染者や医療を必要とする人々が安全に医療行為を受けられるように、自分ができる範囲で感染を広げない生活を続けなければと思った。

 (松江市出身、米国フェニックス市在住・サボテン)

2020年7月24日 無断転載禁止