コロナ退散祈願 鳥取東照宮で麒麟獅子舞 全国の団体一斉に

コロナ退散を祈願して舞う2頭の麒麟獅子
 鳥取の因幡麒麟(きりん)獅子舞の会など全国の獅子舞8団体が12日正午、各地で一斉に舞い、新型コロナウイルスの退散を祈願した。獅子舞は本来、家内安全や豊作のほか悪疫退散を願って行うが、コロナ禍の2020年は全国各地で軒並み中止に追い込まれ、麒麟獅子舞も最盛期の春をふいにした。関係者はうっぷんをはらすかのように力強く舞い「獅子舞が本来の目的を果たし、以前のような日常を少しでも早く取り戻せるよう、頑張る」と誓った。

 全国一斉のコロナ退散祈願は、獅子舞の資料を収集展示する私設の獅子博物館(埼玉県白岡市、高橋裕一館長)が発案。鳥取をはじめ、青森、岩手、東京、香川、沖縄の6都県の計8団体が呼び掛けに応じた。

 県東部の保存会のネットワーク組織・因幡麒麟獅子舞の会は、麒麟獅子舞発祥地の鳥取東照宮(鳥取市上町)で演舞。加盟する熊野神社(岩美町)と米岡神社(八頭町)の両保存会メンバーが「コロナ退散祈願」と書いた横断幕を背に珍しい2頭舞いを見せた。

 麒麟獅子舞は鳥取市を中心に鳥取県東部5市町と兵庫県北部2町の約140団体が継承し、春から秋にかけ各地の神社の祭りで奉納する。半数の団体が舞う4月など春が最盛期だが、20年春は新型コロナの影響でほとんどが中止となった。

 19年5月に麒麟獅子舞を含むストーリーが日本遺産に認定、20年3月に麒麟獅子舞が重要無形民俗文化財に指定され、全国発信の好機に水を差された格好になり、圏域のDMO(観光地域づくり組織)麒麟のまち観光局の石塚康裕事務局長は「PRの機会が失われた」と嘆く。

 関係者は、圏域の観光地で定期上演する試みを6月中旬に始めるなど感染拡大状況を横目でにらみ、巻き返しを図っているところ。退散祈願を終えた因幡麒麟獅子舞の会の西村伸一会長(66)は「コロナとうまく付き合いながら、獅子舞を通じ、皆を元気にしたい」と意を新たにした。

2020年7月14日 無断転載禁止