山陰出身のフリーランス仕事激減 感染収束見据え準備

 新型コロナウイルスの影響で、企業に所属せず活動する山陰両県出身の「フリーランス」も大きな影響を受けた。イベントの中止が相次ぎ、映像制作や司会などの依頼が次々にキャンセルされ、収入が激減。勤め人とは違い、後ろ盾がない中で、インターネットを使って自身の「売り」をPRするなど感染の沈静化を見据えて動きだしている。

 「仕事の9割が延期や中止になった」。横浜市を拠点に活動する映像作家の次石悠一さん(35)=浜田市出身=は、感染拡大した3月以降を振り返った。

 浜田高校を卒業後、広島県内の専門学校で学び、29歳で独立。結婚式を中心に企業のプロモーション映像などを幅広く手掛け、2018年から19年にかけては伊勢神宮(三重県)を映像に収める大きな仕事にも関わった。

 海外にも活躍の幅を広げるほど順調だったが、新型コロナによって仲間5人とともに請け負う予定だった約70件の仕事がゼロになった。「こればかりは仕方ない」と受け止め、現在は映像作品を制作しネットで公開するなど発信を続ける。「自粛期間を経て、改めて対面でのイベントの価値が見直された。結婚式は規模を縮小し、徐々に再開するだろう」と期待する。

 鳥取県若桜町出身でフリーの司会業奥井淳志さん(35)は、コロナで収入が減少した個人事業者に対し国が支給する「持続化給付金」を申請した。これまで年間120件以上のイベントで司会を務めてきたが、3月以降は9割がキャンセルとなったからだ。

 少しでも現状を打破しようと、4月7日以降はSNS(会員制交流サイト)の「インスタグラム」で毎日生配信を行う。親交がある結婚式業界などからゲストを招き、人物紹介などをテーマにインタビューやコラボレーション企画を展開。収入にはまだつながらないものの「生活が元に戻るまでに『種まき』をしたい」とする。

 内閣府によると、国内では約500万人のフリーランスが活動。もともと首都圏では副業を認める企業が増えていたことに加え、コロナでリモートワークなどの導入が進行しており、奥井さんは「仕事を掛け持ちする『半フリーランス』のような人が増えるのかもしれない」と予見する。多様な働き方に合わせ、より柔軟な公的支援の構築が求められそうだ。

2020年7月5日 無断転載禁止