松江・いやタクシー ヤマト運輸と提携、運送事業開始

導入した宅配の車両を前に、新規事業の狙いを語るいやタクシーの森山雄宇社長=松江市東出雲町揖屋
 新型コロナウイルスで利用客が激減した、いやタクシー(松江市東出雲町揖屋)が荷物を宅配する貨物軽自動車運送事業に参入した。宅配はネット通販の拡大で需要が高まる一方、配送を担う運転手が慢性的に不足。保有する運転手人材を活用し、「アフターコロナ」を見据えた事業多角化の一手とする。

 タクシーと貸し切りバス事業を手掛ける同社は、外出自粛で5月の売り上げが前年同月比4割減少し、タクシーの休車などで全20人の運転手の出勤人数を通常の2割程度に減らした。

 一方、配送業界は巣ごもり生活で需要が一段と拡大し、運転手不足に拍車が掛かった。厚生労働省によると、貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.32倍(2020年4月)と全職種平均の1.13倍を大きく上回る状況。親交のある物流会社からも地元の厳しい現状を聞き、参入余地があると判断した。

 貨物用の車両2台を導入し、4月下旬に島根運輸支局に事業開始を届け出た。タクシーとバスの運転手4人が運送事業に回り、宅配大手のヤマト運輸(東京都)と提携。市内の配送センターから西津田、古志原の両地域で、通販などの商品の宅配を始めた。同運輸支局によると、宅配は大手の下請けで個人事業主が大半を担っているという。

 森山雄宇社長は、新型コロナの教訓として「有事の際にも落ち込まないような事業を持つことの重要性を再認識した」と強調。「宅配は今後も伸びる分野で、新しい収益の柱にしたい」と話した。

2020年6月30日 無断転載禁止