鳥居彩る光の舞 「岩坪」でホタル見頃

岩坪明神の周辺を舞うゲンジボタル(4分間露光した複数写真を比較明合成)
 出雲国風土記(733年)の「滑狭郷(なめさごう)」の由来とされ、江戸時代の地誌「雲陽誌」にも紹介された島根県出雲市東神西町の岩坪で、ホタルが見頃を迎えている。地元の住民団体が2016年から環境を整え、水辺にゲンジボタル、背後の山地にヒメボタルが見られる新たな名所になりつつある。

 岩坪は川床の岩盤に大小五つの穴が開いた独特の地形で、今年2月に市の天然記念物に指定された。出雲国風土記では、オオクニヌシノミコトの正妻「スセリヒメ」が祭られており、オオクニヌシノミコトが妻問いをしていたことが記されている。

 地元の「神西明るいまちづくり推進協議会」が中心となり、コケが生えた木を束ねて水辺に置いたり、えさとなるニナの放流をしたりした結果、水辺に生息して辺りを飛び交うゲンジボタルと、森林の中で体を光らせるヒメボタルが見られるようになった。

 同協議会の一員で、環境整備に取り組んだ松尾治幸さん(71)は「小さな光だが、出雲の歴史を感じながら散策できる場所にしていきたい」と話した。

2020年6月18日 無断転載禁止