まちのキャッチフレーズ

 鳥取市のキャッチフレーズは「いつまでも暮らしたい誰もが暮らしたくなる、自信と誇り・夢と希望に満ちた鳥取市」。何がやりたいのかよく分からないが、どの方向でも目指せる多彩な可能性を秘めていると好感を抱く。米子市の「住んで楽しいまち・よなご」も同じ▼対照的に特色をはっきりと打ち出すまちもある。「国際文化観光都市・松江市」しかり。「さかなと鬼太郎のまち・境港市」しかり。筆者の感覚だと、選択肢を絞られて市民は嫌じゃないのかと思ってしまうが、進路が明確で市民が心を一つにしやすい利点もあろう▼思うに、鳥取や米子のキャッチフレーズは住民本位を前面に押し出した内向けであり、松江や境港のは対外アピールに主眼を置く外向けなのだろう。鳥取や米子は対外アピールが弱いので、外向けを別に作ればいい▼あまり使われていないが、米子市は「大山が見えるまち・米子」という外向けのキャッチフレーズも持っていた。大山は市内にないが、見えるのは事実で市民に愛されている。松江の会社の銘菓「どじょう掬(すく)いまんじゅう」を米子土産として薦めることもある柔軟な市民性を反映し、秀逸なフレーズだ▼鳥取市には圧倒的な知名度を誇る鳥取砂丘がある。駄じゃれ王国・鳥取県が既に「スナバ」という単語を宣伝に多用しており、二番煎じみたいで気が引けるかもしれないが、生かさぬ手はないだろう。(志)

2020年5月28日 無断転載禁止