音楽トリビア26の秘密 秘密(5)ホルン

今のホルンの祖先(そせん)といえるアルプホルン=プラバホール提供(ていきょう)
元は“角笛” 合図送る道具として発展

 ホルンの元は角(つの)笛(ぶえ)。のろしのように遠くに合図を送る「道具」として発展(はってん)しました。木(もく)製(せい)のとても長いアルプホルンはその名残ですね。その後、金(きん)属(ぞく)管(かん)でカタツムリのような形になったのは、狩(か)りの時に馬上で、右手で手綱(たづな)を引き、左手でそれを持ちやすくしようと、長い管(くだ)をぐるぐる巻(ま)きにしたからです。なぜベルを後ろ向きにしたのかは、狩りの先頭にいる狩人(かりゅうど)が後から来る本隊に合図を送るため、と聞いたことがあります。

ホルンの元になった角笛(上)と狩りで使われていた時代のホルンの図解(ずかい)


音階吹くには音足りず

 金管楽器は木管楽器と違(ちが)って、管の途中(とちゅう)に指で押(お)さえる穴(あな)が開いていませんね。どうやって音の高さを変えているんでしょう。高い音を出すには、口笛(くちぶえ)を吹(ふ)くときと同じように、口の中を狭(せま)くし、それと同時に、くちびるの緊張(きんちょう)を強めます。低い音を出すにはその逆(ぎゃく)ですね。ですが楽譜(がくふ)にある通りの自然倍音(しぜんばいおん)しか出ないので、音階を吹くには音が足りません。



自然倍音とは、1の音が周波数(しゅうはすう)100Hz(ヘルツ)だとすると、2の音は200Hz、3の音は300Hzとなるような、1の音に対して周波数が整数倍になる倍音です。

 どのようにしたのでしょう。馬から下りれば右手が余(あま)るので、それをベルの中に入れて、ふさぐようにしてみたら、音階が吹けるようになりました。数少ない名人だけでしたけどね。




今使われるホルンの形
 だけど19世紀中ごろになると大発明があり、誰(だれ)でもキー(ピストンともいう)を押せば、息が「迂回(うかい)する管」を通るようにしたのです。

 今のホルンやトランペットでは、押せば、半音下がるのと、一音下がるのと、一音半下がる三つキーがあり、これらを組み合わせて自由に演奏(えんそう)できるようになりました。


木管楽器のつなぎ役

 ホルンが木管五重奏に定着したのは、音域(おんいき)がクラリネットより少し低く、ファゴットより少し高いから、ちょうど良かったのです。他の金管楽器に比(くら)べ、柔(やわ)らかな弱音が得意(とくい)で、包み込(こ)むような音色から、木管同士(どうし)のつなぎの役目ができるのです。またとっても繊細(せんさい)な表現(ひょうげん)が得意(とくい)なのも好都合(こうつごう)だったのです。これもホルンと木管五重奏のトリビア(秘密(ひみつ))ですね。


 ここで、今まで出てきたトリビアのまとめをしましょう。

 ▽映(えい)画(が)音楽はオペラが元だった
 ▽木管楽器と金管楽器の区別は、楽器の材質(ざいしつ)ではなく、吹き方だった。だからアルプホルンも木でできているけど、金管楽器の仲間に入るのです
 ▽クラリネットのリードは1枚(まい)だけど、オーボエやファゴットは2枚
 ▽ファゴットは二つ折りにしちゃった楽器
 ▽管楽器には、円筒管(えんとうかん)と円錐管(えんすいかん)がある-。

 おぼえていましたか。

 (プラバホール芸術監督(げいじゅつかんとく)・長岡愼(ながおかしん))

2020年5月27日 無断転載禁止

こども新聞