再開に向け準備着々、新生活様式に対応 島根県内観光施設

堀川遊覧船を丁寧に清掃する船頭=26日午前、松江市黒田町、ふれあい広場乗船場
 政府による緊急事態宣言の解除を受け、島根県内の観光施設が営業再開に向けて、準備を進めている。当面は外国人旅行者や県外客が見込めない中、施設ごとに「新しい生活様式」に合わせた対策を実施。新型コロナウイルスの感染予防を徹底した上で再起を図る。

 松江城(松江市殿町)の周辺を巡る堀川遊覧船のふれあい広場乗船場(同市黒田町)では26日午前、船頭13人が船をブラシで丁寧に磨いた。約2カ月ぶりの営業再開となる6月1日に向けて今月中にコース脇の草を取り、船頭の感覚を取り戻すため操船練習を行う。

 船頭歴9年の山崎武男さん(69)は「自宅で歌の練習をしてきた。自分が楽しみながら仕事することで、乗船客に楽しんでもらいたい」と意気込む。

 感染対策として12人の定員を6人に減らし、船頭と乗船客を透明なシートで仕切る。営業時間は午前10時から午後3時までとし、以前より3時間短縮する。身を切る対策となるが、遊覧船を運航する市観光振興公社の天野昭男事務局長(59)は「安心して乗船してもらえるための取り組み。まずは地元の人に来てもらいたい」と力を込める。

 県外と海外客が大半を占める松江城も1日に再開する。登閣者にはマスク着用と手指の消毒を必ずしてもらう。マスクがない人を想定し、職員手作りの紙製マスクを1枚20円で販売する。松江城山公園管理事務所の黒川貴子副所長(60)は「導線をつくり『密』にならないよう対策を取る」と、見学方法も工夫する。

 同じく1日から屋内施設が営業再開する月照寺(同市外中原町)は6月中旬に見もののアジサイが見頃を迎えるという。屋外だが密集を避けるため、係員が他の人との距離を取って見るように促す。

 県西部では、浜田市世界こども美術館(浜田市野原町)などが再開する。同館は6日から、浜田生まれの芸術家にスポットを当てた企画展「浜田のチカラ展」を始める。予定していた手に取る展示物の陳列をやめ、子どもたち向けの創作活動は、滞在時間が30分以内になるよう簡単な物作りにした。糸川孝一学芸課長(49)は県外客の呼び込みができず戸惑いながら「屋外での創作活動を取り入れていきたい」と感染リスク低減に知恵を絞る。

2020年5月27日 無断転載禁止