アベノマスクいまさら 松江で配達開始

布マスクをバイクの荷台に積み込む職員=松江市東朝日町、松江中央郵便局
 新型コロナウイルス感染防止対策として政府が全世帯に配布する布製マスクの配達が23日、松江市内で始まった。感染者が拡大した都内で配られ始めて1カ月以上が過ぎ、街中で手に入るようになった中でようやく手元に届いた「アベノマスク」。市民からは「タイミングが遅すぎる」と冷ややかな声が相次いだ。

 日本郵便中国支社によると、中国5県に各約3万セット届き、1週間以内に配る。松江中央郵便局(松江市東朝日町)では午前、職員がバイクに積み込み、出発した。

 感染拡大の影響で市販のマスクが入手しづらくなったのを受け、安倍晋三首相が全世帯配布を打ち出したのは4月1日。汚れによる回収といった混乱もあり、市民の反応は冷めていた。

 「最近はスーパーなどで手に入るので困っていない。今更、いらないんだけど…」と苦笑したのは松江市比津が丘3丁目の主婦(70)。近くのドラッグストアで箱入りマスクを購入したばかりで「多額の税金をかけて(配って)もったいない」と言い切った。

 同市比津町の男性会社員(34)は布製の効果を疑問視するとともに「男性にはサイズが小さい。届いても使わない」と話し、同い年の妻は「2カ月前ならありがたかったのに」とこぼした。

 松江市竹矢町のタクシー運転手鐘築浩さん(52)は、職業柄マスクが欠かせず、値が張っても購入していた。インターネットで注文しても約半月、届かないことがあったが、今は苦労していない。「第2波が来る時に布マスクがあればいいかもしれないが、現状は違う。誰もが遅かったと思っているだろう」と述べた。

 松江市内の配布先は約8万カ所で、残る5万セットの到着時期は確定していない。島根県全体では約30万カ所に配ることになるものの、他の市町村分が届く時期は未定という。

 厚生労働省によると、この日の配達開始は感染者が出ていない岩手などを含めて34県。配布は1住所当たり2枚で、事業費は466億円。政府は全世帯向けとは別に、妊婦向けや学校向けなどのマスクも配布している。

2020年5月24日 無断転載禁止