透明マスク、口元はっきり 鳥取西部のNPO、手作り寄贈

透明マスクを紹介する森田忠正理事長(左)と森田次江さん=米子市加茂町1丁目、市役所
 新型コロナウイルスの感染予防でマスク着用が定着する中、鳥取県西部の聴覚障害者らでつくるNPO法人「西部ろうあ仲間サロン会」(森田忠正理事長、約30人)が、口元が見えるビニール製の透明なマスク作りに取り組んでいる。耳が不自由な人たちとの会話は、相手の口の動きや表情を伝える必要があるため。会員は広がりに期待し、県内の手話通訳者やろう学校などに贈る。

 耳が不自由な人は、細かなニュアンスや感情を読み取るのに口の動きや表情を参考にしており、マスクで隠れると正確に把握できない。意思疎通が図れているのかどうか不安を感じ、手話で繰り返し確認することがあるという。

 製作の中心メンバーは、ろうあ者の森田次江さん(67)。生活に不便を感じるとともに、手話通訳者も通訳の際、口元を見せるためマスクを上げ下げする負担を感じていると考え、得意な裁縫の腕を生かして透明なマスクを作ってみようと思い立った。

 口元部分のビニールが硬く、布を縫い付けるのに苦労したほか、息がこもって透明な部分が曇るなどうまくいかず、試行錯誤を繰り返した。

 心強かったのは周囲の支援。ニュースでマスク作りの取り組みを知った手話通訳者が、他のメンバーを通して作り方の情報を提供してくれた。

 マスクは、塩化ビニールシートをはさみで切り、耳にかけるゴム用の穴を両端に開けた作り。顎との間に隙間があり、息がこもらず曇りにくいという。

 サロン会では森田さんをリーダーに26日から、総勢10人のチームで約350個を作る。森田さんは「病院で働く手話通訳者やろう学校の先生、生徒の皆さんに使ってもらい、コミュニケーションに役立ててほしい」と願っている。

2020年5月22日 無断転載禁止