音楽トリビア26の秘密 秘密(4) オーボエとファゴット

 愁い含くんだ音が魅力

 木管(もっかん)楽器でよく、クラリネットと間(ま)違(ちが)われるのがオーボエですね。遠くから見ると同じように見えますが、大きな違いは、リードの枚数です。

上部の隙間が細いファゴットのリード(左の二つ)と、より小さく細いオーボエのリード
 ともにリード2枚重ねて息吹き込み

 クラリネットはマウスピースに1枚(まい)のリードを装着(そうちゃく)しますが、オーボエにはマウスピースはなく、右上にある写真のような2枚のリードを直接楽器に差し込みます。材料はクラリネットと同じ葦(あし)です。

 音の出し方は2枚を重ね合わせたリードをくわえて息を吹(ふ)き込(こ)みます。

 写真でお分かりのようにリード上部にはすごく細い隙(すき)間(ま)しか開いていません。

オーボエを手にするNHK交響楽団(こうきょうがくだん)首席奏者(しゅせきそうしゃ)の吉村結実(よしむらゆみ)さん=プラバホール提供(ていきょう)
 そのためとても息のコントロールが難(むずか)しく、クラリネットよりさらにくわえる力加減(かげん)が難しいのです。この楽器の役(やく)割(わり)は、高い音の旋律(せんりつ)をフルートと分け合うことが多いですね。華(はな)やかなフルートに比(くら)べて、ちょっと哀(かな)しみや愁(うれ)いを含(ふく)んだ音が魅力(みりょく)的です。

 ファゴットもリードが2枚です。オーボエを大きくし、そのままでは長すぎるので、下のほうで管(くだ)がUターンして二つ折(お)りにしちゃった楽器です。管の全長はオーボエが約70センチ。ファゴットは4倍近い約260センチもあります。







ファゴットを演奏(えんそう)する出雲(いずも)芸術(げいじゅつ)アカデミー講師(こうし)の木村(きむら)恵理(えり)さん=2020年2月20日、松江(まつえ)市立鹿島東(かしまひがし)小学校
 両指10本全部使い演奏

 オーボエよりちょっと大きめのリードや管が長く太いファゴットは、低い音域(おんいき)が得意(とくい)なのです。

 この楽器は重いので、首や肩(かた)からひもでつるすようになっています。でも、それがかえってこの楽器を演奏するのにとても役に立っているのです。楽器を持つための指が要(い)らないので、両手の指10本が自由に使えるんです。これはファゴットだけ! さらに一番面白いのは、左手の親指の役目ですね。なんと押(お)さえるキーが、11個(こ)! 長い管を二つ折りにしてしまったのでそうなったのですが、指使いはとても難しいそうですよ。この楽器の低音で奥(おく)ゆかしくもユーモラスな音色は、肉厚(あつ)の管に指穴(あな)が斜(なな)めに開けてあるからなど、ここでは書ききれないほど不(ふ)思(し)議(ぎ)がいっぱいの楽器です。

 前回クイズの答え 管の「内径(ないけい)」が端(はし)っこを除(のぞ)いて同じ太さ、つまり円筒管(えんとうかん)であることです。

 ちなみに、オーボエとファゴットは吹き口から緩(ゆる)やかに太くなっていく円錐管(えんすいかん)です。見た目ではほとんど分からないから、これはトリビア(秘密(ひみつ))ですね。

 (プラバホール芸術監督(げいじゅつかんとく)・長岡愼(ながおかしん))

2020年5月13日 無断転載禁止

こども新聞