松江市内の1店舗に休業要請 接触者調査に協力得られず

 島根県の丸山達也知事が9日、新型コロナウイルス特別措置法24条9項に基づき、感染者の接触者調査に応じない松江市内の民間施設1店舗に対し、休業の協力要請を行った。期間は10日から31日まで。市内で感染が確認された40代男性が発症前に長時間利用しており、松江保健所が従業員や利用客へのPCR検査の協力を求めたが、運営者の理解が得られていないためという。

 県によると、男性の感染経路は特定されておらず、4月26日に発熱症状を訴える前の2週間にこの店舗以外に不特定多数の人と接触するような施設は利用していなかった。滞在時には多数の客がいたことから、市と県が共同設置する松江保健所が感染拡大を防ぐため、従業員や利用客の健康観察とPCR検査の実施協力を再三にわたり求めたが拒まれているという。

 男性の感染判明から1週間が経過し、記者会見した丸山知事は「施設の調査が進んでいない状況では、従業員や利用者との接触によって感染が拡大する恐れが否定できない」と指摘。市内の県立学校の分散登校を見送っている一因になっているとの認識も示した。また、運営者の協力が得られず感染状況の把握に支障が生じている事実を公表すべきだったとして、調査主体の市の姿勢も疑問視し、問題意識を共有するとした。

 一方、市による店舗側への聞き取り調査では、店内で濃厚接触した疑いのある人は確認されていないという。

 今回は「協力要請」にとどまり、特措法45条に基づく法的履行義務の強い「要請」や「指示」とは異なる。丸山知事は、店名に加え、無関係の施設への風評被害につながりかねないとして業種も明らかにしなかったが、協力要請に応じない場合は公表する意向を示した。

2020年5月9日 無断転載禁止