音楽トリビア26の秘密 秘密(2)木管五重奏

なぜか金管のホルン入れた組み合わせ

 松江(まつえ)市のプラバホールでは、5月31日にNHK交響楽団員(こうきょうがくだんいん)による木管(もっかん)五重奏(じゅうそう)の演奏(えんそう)会とクリニック(実技講習(じつぎこうしゅう))を計画していましたが、新型(しんがた)コロナウイルス感染(かんせん)の危険(きけん)を避(さ)けるため、延期(えんき)することにしました。いつになるのかは、決まり次第(しだい)、プラバホールのホームページなどでお知らせします。

木管五重奏団を組んで演奏活動もしているNHK交響楽団員管楽器奏者のみなさん(手に持つ楽器は左からホルン、オーボエ、フルート、ファゴット、クラリネット)=プラバホール提供(ていきょう)
 正式な呼び方はなし

 さて、木管五重奏とは、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットという木管楽器に、ホルンという金管楽器の組み合わせです。

 え、金管楽器が入っているのに、木管五重奏というのは変じゃない? と疑問(ぎもん)に思われるかもしれませんね。

 実はクラシック音楽が生まれたヨーロッパでは、この組み合わせを「管(かん)楽(がく)五重奏」と呼(よ)び、木管を表す言葉は入っていないんです。日本の音楽事典でも、「木管五重奏」の見出しはありません。

 木管五重奏と多くの人が呼(よ)ぶようになった訳(わけ)は諸(しょ)説(せつ)ありますが、管楽五重奏とすると金管五重奏も含(ふく)まれるので、それと区別するためといわれています。

 楽器の発達で増えた曲

 さて、木管五重奏の曲がたくさん作られるのは、19世紀(せいき)になってから、日本ではまだ江(え)戸(ど)時代ですね。なんとその頃(ころ)、管楽器は♯(シャープ)や♭(フラット)がいっぱい付いている素(す)早(ばや)い曲の演奏をやりやすくしたり、音を大きくしたりするなどの改良が成功し始めていたのです。そうなんです。みんながリコーダーでは、ちょっとやりづらいなぁと思ってるようなことなのです!

 すると作曲家はオーケストラに、これらの管楽器に格好(かっこう)いいソロ演奏(一人で演奏すること)させる、聴(き)き映(ば)えのする曲をたくさん書き始めました。

 室内楽でも弦楽器(げんがっき)やピアノだけではなく、管楽器に注目する作曲家が増(ふ)えてきました。木管五重奏ではありませんが、その時代より少し前のモーツァルト(1756-91年)やベートーベン(1770-1827年)もさまざまな楽器を組み合わせた管楽合奏曲を作っていました。多くはかしこまって聴く音楽ではなく、聴く人を楽しませる娯楽(ごらく)音楽でした。実用的な、踊(おど)り用の音楽やご飯(はん)を食べる時に流れるBGM(ビージーエム)もたくさん作られていました。

 だから、木管五重奏曲も、明るく軽(かろ)やかで、華(はな)やかなものが多いですね。

(プラバホール芸術監督(げいじゅつかんとく)・長岡愼(ながおかしん))

2020年4月20日 無断転載禁止

こども新聞