「いじられキャラ」と「いじめ」

 「お笑い芸人」と呼ばれる人たちを、テレビで見掛けない日はない。バラエティーはもちろん、クイズ番組やワイドショーのコメンテーター、司会など幅広く活躍している。それだけ世の中が「笑い」を求めているのか、番組を作るテレビ局側の事情なのか▼扱う話題も、芸能ゴシップからスポーツや事件・事故、政治問題まで何でもあり。うまくちゃかしたり、なかなか言いづらいと思うことも、とぼけた口調でつぶやいたりする。要は面白いか、面白くないかが基準なのだろう▼その延長線上で最近、出川哲朗さんに代表される「いじられキャラ」が人気を集めているという。無理難題を押し付けられたときのリアクションや困惑する姿、さらに悪戦苦闘ぶりが視聴者の笑いを誘っているようだ▼確かに相手やケースによっては、人が困っている姿は滑稽に映る場合がある。特にプロの芸人の場合は、いじられると「おいしい」のだという。体を張ったリアクションが面白ければ、出演機会が増え、収入増につながるからだ▼気になるのは子どもたちの「いじめ」にも似た面がある点。面白半分でからかい、困らせているうちにエスカレートする。プロと素人、テレビ番組と実際の生活は同じではない。いじめられる子どもは、「いじられ芸人」のように喜ぶことはなく、傷つくだけだ。子どもたちを、周りで面白がる観衆にさせてはいけない。(己)

2020年3月22日 無断転載禁止