世事抄録 人の運

 宝くじ。買わない人には当たらない自然の摂理。買ってもいないのに、当たったらどうしようと妄想し、ドキドキするのはなぜだろう。ただし、私だけかもしれないが(笑)。このたびは誰もが何かしら持っているといわれる人間の運について考えてみた。

 年末年始は、特にくじに遭遇する機会が多い。当せん者が宝くじの確率の低さをどうやって乗り越えたのかなどと思いを巡らせつつ、これが特別な人が持つ運の強さなのかとうらやましく感じ、嫉妬している自分がいる。

 一方で、くじ運以外の運もある。受験、就職、結婚、病気、事故、寿命など人生のさまざまな節目における運だ。それは運ではなく、努力の結果だと言われる方が多いかもしれない。だが私はここにも運が複雑に絡み合っていると実感している。

 年明けから、職場の先輩、叔母と私の人生にとってとても大切な人を続けて亡くした。享年は63歳と86歳。寿命も人が生まれながらに持つ運命なのか。叔母も息を引き取る間際まで懸命に息をしていた。まるであと何回呼吸をすれば楽になれるのかと自問自答しているようにも感じた。

 答えは誰も知らないし、分からない。逆に知らないからこそ人は生きていけるのではないか。やがて人工知能がその答えを教えてくれる時代が来るのだろうか。いや、どう考えてもいらぬお世話だと思う。

(雲南市・マツエもん)

2020年2月13日 無断転載禁止