女子ログ 生きるための決断(2)

 生きるために、大腿(だいたい)骨からの切断を決意した父は、涙も流さず、医師からの説明を受け入れた。

 この女子ログに書いてよいかどうか、悩んだがそれも生きる選択の一つだと考えた。病で苦しむ人に、そして病で苦しむ患者の家族として、私が伝えたいことを伝えようと…。

 さて、手術の日も決まったが、看護師の方から説明を受けた時、切断されない人もいるのか聞いてみた。やはり私の心には迷いがあった。本当にこれでよいのか、悩んでいた。そこで看護師の方に、切ない思いの一端を打ち明けてみた。

 すると、やはり私のように迷う家族もいるということであった。もちろん、切断しないと決めた家族もいるとのこと。しかし、それでは命の時間には限りがある。人は、いずれ命が尽きる時がやってくる。限りある時間を最大限にして精いっぱい生きるという選択を私は家族として選ぼうと決めた。

 手術の当日、私は父にこう声を掛けた。

 「お父さん、待ってるから! 元気になって帰ってきて! 行ってらっしゃい」

 父は、無言で手をあげ、手術室へと入っていった。

 手術は無事終わり、術後、父は、私に「つらかったけど、生きるために決断した」と涙をふた粒流した。弱さの涙ではなく、決意の涙だ。86歳、飲まず食わずの修行を成し遂げた阿闍梨(あじゃり)と呼ばれた父の決断。

合掌。

(鳥取市・DJレイ)

2020年2月12日 無断転載禁止