大学側が試される入試改革

 島根県立大の清原正義理事長兼学長が大胆な入試改革を打ち出した。先ごろ、出雲キャンパスであった県内の高校校長らとの意見交換会を取材し「大学側が試される時代になった」と感じた▼若者の県外流出を防ぐため、2021年度入試からの抜本的な改革を目指しており、入学定員の5%前後に相当する20~30人を見込む「共に育てる入試」が目玉だ。募集を経て連携校に指定された県内の高校が、1校当たり最大3人を推薦。対象生徒は夏休みに地域課題の解決などに関する学習に取り組み、秋に成果を発表する。この内容で大学が合否を決めるという▼参加した校長からは、事前の準備が大変な上、仮に落ちた場合に大学入学共通テストへの切り替えが容易でないなど、生徒や教員の負担増を懸念する声が上がった。また、高校が連携校に選ばれなければ生徒は出願さえできず「公平性が問われる」との意見もあった。実現へ課題は山積みだ▼ただそれは、従来の入試準備の枠組みで考えればの話だ。清原氏は「高校の先生は自分の生徒を大学に入れたら終わり、大学教員は(成績が良ければ)入れてやるという関係を変える」と説いた▼年老いても安心して暮らせる地域づくりなどの筋道を描き、実践できる人材確保に向け、高校と大学の教員同士が手を携えようという呼び掛け。生徒と共に教員も自ら挑戦することこそ、教育の本質と痛感した。(万)

2019年11月1日 無断転載禁止