女子ログ タマネギ炒め

 幼い頃、タマネギを炒めるのをよく手伝った。みじん切りにしたものを鍋に入れ、弱火で全体がきつね色になるまでじっくり炒める。簡単な仕事なのだが、結構根気が必要だった。

 タマネギは、カレーやシチュー、あるいは各種の洋風の煮物に使った。しっかり炒めるほど、おいしいカレーやシチューが出来上がった。食卓でみんなが「うまい」と言ってくれるときは、全部を自分で作ったわけではないにしろ、心の中で、ちょっと鼻高々になっていた。

 テレビの料理番組で、もっと時間をかけて、あめ色になるまで炒めるといいと言っているのを見た。やってみたが、さすがに根気が続かなかった。「火を強くすればいいか」と考え、試してみたのだが、タマネギに火が通りすぎて、焦げ臭くなってしまった。

 私がタマネギを炒めている間、母は具材の準備などをしていた。うまく分業していたのだが、大人になった今、自分一人で作ろうと思ったら、時間がないのを言い訳にしてつい、手間をかけずに済ませてしまう。

 気の利いたスーパーに行けば、あめ色に炒めたタマネギが調味料の一つとして売られている。ただ、タマネギ炒めが上手だった元少女には変な意地があり、まだ手を出せずにいる。

(出雲市・ホーホー)

2019年10月8日 無断転載禁止