日本の「もてなし力」

 1次リーグが大詰めを迎えるラグビー・ワールドカップ(W杯)。初の決勝トーナメント進出に王手をかけた日本代表の躍進とともに世界の注目を集めているのが、日本の「もてなし力」だ▼発端は被災地・岩手県釜石市であったウルグアイ対フィジー戦。マスコットキッズとしてウルグアイ選手と入場した青木創太君(8)=東京都=が、一緒にスペイン語でウルグアイ国歌を歌った。「一緒に歌えば、自分の国で試合している気持ちになってくれるかも」と考え、インターネット動画を見て練習したという青木君。ウルグアイの主将は「すごくびっくりしたし、うれしかった」と振り返った▼ロシア対サモア戦では、招待された中学生約4千人が両国の国歌を斉唱。イタリア対ナミビア戦では歌詞カードを手にした日本人ファンが一緒になってナミビア国歌を熱唱した▼いずれも「気持ちよくプレーしてほしい」という日本独特の、もてなしの精神に起因している。お返しの意味もあるのだろう。ナミビアやイタリアの選手たちは、試合後のロッカールームを自主的に清掃したという。心温まる光景だ▼20チーム参加のW杯に対し、開幕まで290日に迫った東京五輪には、世界各地から約1万1千人が参加する。山陰でも松江、鳥取両市など7自治体の住民が「ホストタウン」として海外選手と交流する。ラグビーを手本にもてなし力に磨きをかけたい。(健)

2019年10月8日 無断転載禁止