ケミストリー

 海外のスポーツ中継を見ていると「ケミストリー」という言葉を耳にする。訳せば相性・親和性。選手同士が連携し、個々の能力以上のプレーを披露している状態を「チームケミストリーが起きている」と表現する▼この両者のケミストリーは合うのだろうか。プロバスケットボールBリーグ1部に復帰した島根スサノオマジックと、今季経営権を取得したゲーム業界大手バンダイナムコエンターテインメントである。バンナムの強みは、人気キャラクター「パックマン」に代表されるコンテンツ力。これまで手付かずだった層を開拓し「何度も試合に通ってほしい」ともくろむ▼プロジェクションマッピングによる幻想的な空間、キャラクターとの撮影ブース。娯楽性追求はBリーグの一丁目一番地だけに、あすのホーム開幕戦は過去にない演出が楽しめるかもしれない▼近年、急成長しているeスポーツとの親和性も高そうだ。米国ではNBAが市場に本格参入し、ゲームから競技に関心を持つ若者が増えているという▼ケミストリーには「化学反応」との意味もある。アイデアのヒントは見当違いに思える分野からふと湧き出すように、一見無関係な結び付きが予想外の効果を生み出す。ファンの声を柔軟に取り入れ、斬新な試みを仕掛けていけるか。バスケ球団とゲーム会社という異色の連携は案外、思わぬケミストリーをもたらすかもしれない。(玉)

2019年10月4日 無断転載禁止