前進、あるのみ。

 青くて大きな耳に、コアラをモチーフにした顔。プロ野球・中日のマスコット「ドアラ」は大忙しだ。七回の攻撃前には宙返りを披露して本拠地ナゴヤドームを盛り上げ、お立ち台では主役の選手とじゃれ合う▼そんな人気者も心配しているだろう。来季の去就が注目の松坂大輔投手。球団と会談したが大幅減俸は必至で、最終結論が出ていない。ソフトバンクから移籍した昨年は6勝を挙げ復活を印象付けた。だが、背番号「99」から「18」に戻った今年は春季キャンプ中に負った右肩痛による出遅れなどで未勝利。昨年は目立ったドアラとの2ショットもキャンプ中に節分の豆を投げ合ったくらい▼甲子園で春夏連覇を果たし、プロでも日米通算170勝を挙げた「平成の怪物」も39歳。同学年の「松坂世代」は減り、今年もヤクルト・館山昌平投手、広島・永川勝浩投手らが引退した▼一方で阪神・藤川球児投手は守護神として復活。ソフトバンク時代に同僚だった和田毅投手は昨年の松坂投手の活躍を励みにリハビリを続け、左肩の故障を克服。今年6月、1軍のマウンドに戻った。今度は背番号18が輝きを取り戻す番だ▼ナゴヤドームに向かう通路にドアラの後ろ姿を写した看板がある。そこに書かれているのは「前進、あるのみ。」の文字。現役続行に意欲を示す平成の怪物はどこへ進むのか。令和でもドアラとお立ち台に上がる姿が見たい。(健)

2019年10月2日 無断転載禁止