益田出身川崎さん、初の奨励賞 石見神楽を独自の感性で表現

再興第104回院展で奨励賞に輝いた川崎麻央さんの作品「先ずは岩戸の其の始め」
 東京芸術大(東京都)の職員で島根県益田市出身の川崎麻央さん(32)の作品が、日本画の「再興第104回院展」で一般公募の最高賞・大観賞に次ぐ奨励賞に初めて選ばれた。故郷で親しんだ石見神楽を独自の感性で解釈し、演目「岩戸」を題材に150号の大作を制作。既存の枠組みにとらわれない世界観が画壇で評価され、「さらに自分の表現を深めていける」と自信をつけた。

 再興院展の作品が並ぶ東京都美術館の展示室。川崎さんの受賞作品「先ずは岩戸の其の始め」がひときわ異彩を放ち、多くの来場者が足を止めていた。

 「岩戸」の場面から着想した作品は、アメノウズメノミコトとタヂカラオノミコトを左右に大きく配置。繊細さと抽象的な描写を織り交ぜ、外国の神殿のような模様やクジャクの羽など和洋中さまざまな要素をコラージュして神話の世界を表現した。

 再興院展は、18年に奨励賞を受賞した「春の院展」よりも日本画の世界での評価が高いとされ、今回は公募475作品のうち、奨励賞に輝いたのは12作品のみ。「要素の組み合わせによる表現こそが自分のオリジナリティー。忠実にイメージを伝えることができた」と手応えを語る。

 挑戦は5回目で、これまで異色とされてきた世界観が「日本画家・川崎麻央の作風」として画壇に広く認知されることになった。10月9日からは日本橋三越本店(東京都)での個展開催も決まり、「これからどんなことを描いていけるのか。ビジョンを正確に再現するような創作を続けたい」と、さらなる高みを目指している。

 再興院展は10月12日~11月3日に足立美術館(安来市)、2020年5月22日~6月14日に今井美術館(江津市)を巡る。

2019年9月11日 無断転載禁止

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